糖尿病・生活習慣病と動脈硬化|足と首の血管検査(ABI・頸動脈エコー)
「健診で血糖やコレステロールを指摘された」「糖尿病で通院している」── そんな方に知っておいていただきたい検査があります。足と首の血管から、動脈硬化の状態を調べる検査です。痛みはほとんどなく、短時間で行えます。
糖尿病・生活習慣病と「血管の老化」
糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病は、動脈硬化を進めやすいことが知られています。動脈硬化とは、血管が硬くなるだけでなく、コレステロールなどが血管の壁にたまって「プラーク(こぶ)」をつくり、血管が詰まったり破れたりしやすくなる状態です(粥状硬化)。
やっかいなのは、プラークができても、はじめのうちは血管が外側にふくらんで、内側があまり狭く見えないことがある点です。つまり「狭くなってから」では遅いことがあり、血管の壁そのものの変化まで確認できると、より早い段階で気づくことにつながります。動脈硬化は自覚症状が出にくいため、糖尿病などの危険因子がある方では、症状がないうちにも進んでいることがあります。

足の血管の病気「末梢動脈疾患(PAD/LEAD)」とは
動脈硬化が足の血管に起こると、末梢動脈疾患と呼ばれる状態になります。進行度は「フォンテイン(Fontaine)分類」で表されます。
| 分類 | 症状 |
|---|---|
| I度 | 無症状(冷感・しびれ程度) |
| II度 | 間歇性跛行(歩くとふくらはぎ等が痛み、休むと楽になる) |
| III度 | 安静時にも痛む |
| IV度 | 皮膚の潰瘍・壊死 |
歩くと足が痛んで休むと楽になる、足が冷たい・しびれる、といったサインがあれば、一度ご相談ください。
年に一度を目安にした血管のチェック
糖尿病の方は、神経の障害のために、足の血流が低下していても症状を感じにくいことがあります。そのため、末梢動脈疾患ガイドライン(日本循環器学会/日本血管外科学会)では、ABI・CAVIによる血管のスクリーニングを年1回程度行うことが望ましいとされています。日本糖尿病協会の月刊誌『さかえ』2024年6月号でも、糖尿病と末梢動脈疾患について特集されました。当院でも、生活習慣病で通院中の方について、年に一度を目安に血管の状態を確認しています。
当院でできる動脈硬化の検査
- ABI・CAVI:手と足の血圧を同時に測り、足の動脈の詰まりや血管の硬さを調べます。痛みはありません。ご受診いただいた際に、必要に応じて同日に実施できる場合があります。足の冷え・しびれ、歩くと足が痛むといった症状がある方に、精密検査として行っています。
- 頸動脈エコー:首の血管に超音波を当て、動脈硬化の程度(プラーク・血管壁の厚さ)を直接見ます。痛みはありません。予約制で、平日午後を中心に(木曜は休診)、最近は土曜日にも行っています。めまい・ふらつきがある方や、健診で頸動脈の雑音を指摘された方に、精密検査として行っています。
動脈硬化が疑われる場合には、ABIと頸動脈エコーを組み合わせて評価することもあります。必要に応じて、心電図・心エコーも行います。
こんな方が対象です(保険診療)
足や首の症状があったり、生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症など)による動脈硬化が疑われる方が対象です。健診で指摘された方も、お気軽にご相談ください。
循環器を専門とする医師が診ます
当院院長(泊咲江)は循環器専門医・総合内科専門医です。血糖やコレステロールだけでなく、その先の心臓・血管まで含めて診られるのが特徴です。「糖尿病をきっかけに心臓も診てほしい」「胸の不安がある」という方もご相談ください。
【参考】末梢動脈疾患ガイドライン(日本循環器学会/日本血管外科学会)/動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版(日本動脈硬化学会)/糖尿病診療ガイドライン(日本糖尿病学会)/『さかえ』2024年6月号(日本糖尿病協会)
ご予約・お問い合わせ
診療は予約制です。WEB予約、またはお電話にて、ご予約のうえご来院ください。

