目次

1)ぜんそくとは

2)こんな症状があるときにぜんそくを疑います

3)診察・検査

4)ぜんそくの治療

1)ぜんそくとは

ぜんそく(気管支喘息)は、空気の通り道である気道に慢性的な炎症がおこる病気です。炎症により気道が狭くなるために、呼吸がゼイゼイ・ヒューヒューして苦しくなったり、炎症により痰や咳がでて苦しくなります。

原因は、家塵ダニなどのアレルギーによる炎症が多く、「アトピー型ぜんそく」といわれています。

アレルギーの原因が特定できない「非アトピー型ぜんそく」もあります。

2)こんな症状があるときにぜんそくを疑います

✔ 呼吸するときにゼーゼー・ヒューヒューいう

✔ せき:3週間以上続く、あるいは夜間にひどい、あるいは息苦しい感じを伴う

✔ たん

✔ 胸苦しさ

✔ 胸の痛み

さらに以下のような特徴があるときに疑います。

✔ 症状は季節や日によってかわる

✔ 症状は香水や線香のかおりでひどくなる

✔ 今までぜんそくや小児ぜんそくをいわれた

✔ 家族にぜんそくの人がいる

✔ アレルギー性鼻炎(花粉症など)がある

✔ アレルギー検査でダニ・真菌・動物が陽性である

3)診察・検査

ぜんそくを疑う患者様が来院された場合、以下の検査を実施し、ぜんそくなのか、その他のご病気なのかを判断します。

・問診・聴診

胸部X線

心電図(心臓ぜんそくが疑われる場合はさらに心臓の精密検査をおすすめします)

・採血(アレルギー検査を含む)

呼吸機能検査

・胸部単純CT(肺がんや結核などの病変がないことを確認します。近隣の病院の検査予約をおとりします)

4)ぜんそくの治療

呼吸機能をなるべく正常に保ち、症状なくすごせることを治療の目標とします。

気道の慢性炎症をおさえるために、長期の治療が必要になります。

<長期管理薬>

炎症をおさえる吸入ステロイド剤を基本とし、病状に応じて気道を拡張させる長時間作用性吸入β2刺激薬配合剤を使用します。

吸入薬に加えて、内服薬(テオフィリン徐放剤、オノン、キプレス/シングレアなど)を追加します。

病状悪化時には一時的に経口ステロイド剤を内服します。

<発作治療>

短時間作用性吸入β2刺激薬(メプチンエアーなど)を使用します。

<重症の場合>

上記の治療をしても病状が改善しない場合は、抗IgE抗体などの治療ができる施設をご紹介します。

<ピークフローメーター>

ご自身の状態を確認するために、ご自宅でのピークフローメーター使用を推奨します。

詳細は院長にお尋ねください。

<引用>喘息診療実践ガイドライン