「糖尿病と言われた。すぐに注射になるのだろうか」——初めての受診を前に、この不安を持つ方は少なくありません。
先に結論からお伝えします。2型糖尿病では、多くの場合、最初からインスリン注射になることはありません。
このページでは、インスリンが必要になるのはどんなときか、始めてもやめられる場合があること、当院での進め方を説明します。予約がお済みの方も、診察の前に読んでいただくと、当日の相談がスムーズになります。
治療は、食事・運動と飲み薬から組み立てます
2型糖尿病の治療は、食事・運動の調整と飲み薬から組み立てるのが基本です。血糖の状態はHbA1cで確認しながら、薬を段階的に調整します。
現在、2型糖尿病の薬は11種類に広がりました。定期的な注射が必要なのはそのうち一部で、週1回だけの注射や、飲み薬タイプのGLP-1受容体作動薬も登場しています。薬の一覧は糖尿病ページの「治療方針」にまとめています。
インスリンが最初から必要になるのは、どんなときですか
自分の膵臓からインスリンがほとんど出ていないとき、つまり、体の中でインスリンが絶対的に足りないときです。
- 1型糖尿病が強く疑われる場合
- インスリン依存状態(自己のインスリン分泌が大きく低下した状態)
- 血糖が著しく高い場合や、妊娠中で飲み薬が使えない場合 など
この場合のインスリンは、体が必要とするホルモンを外から補う、理にかなった治療です。生活習慣の良し悪しとは関係なく必要になるもので、治療の失敗を意味しません。
一時的に使って、やめられる場合があります
血糖の高い状態が続くと、膵臓が疲れて、インスリンを出す力が一時的に落ちます(糖毒性)。この場合、数週間〜数ヶ月インスリンで血糖を下げて膵臓を休ませると、インスリンを出す力が回復し、内服薬に戻せることがあります。
「一度始めたら一生続く」と決まっているわけではありません。やめられるかどうかは膵臓の状態によるため、診察で見通しを説明します。
当院でできること・連携すること
当院でできること
- インスリンの導入と調整(外来で開始できます。看護師が注射の手順の練習に付き添います)
- HbA1cの院内測定(約5分で結果が分かります)
- リブレ(持続血糖測定)による血糖の見える化。院長自身が装着して確かめた記録を、ブログ「院長もリブレを使ってみました」で紹介しています
連携で対応すること
- 1型糖尿病の専門的な管理
- 1日に何回も注射する頻回のインスリン調整が必要な場合
- 妊娠糖尿病
これらは専門の医療機関へ紹介します。紹介が必要かどうかを見極めることも、かかりつけ医である当院の役割です。
よくある質問
Q.注射は痛いですか。
現在のインスリン用の針は、太さ約0.23mm(32G)・長さ4mm程度で、採血の針よりずっと細いものです。痛みの感じ方には個人差がありますが、細い針とペン型の注入器で、体への負担は小さくなっています。
Q.自分で打てるか不安です。
ペン型の注入器で、ダイヤルを回して量を合わせ、ボタンを押す操作です。看護師が練習に付き添います。操作が難しい場合は、週1回タイプの注射やご家族のサポートなど、続けられる形を一緒に考えます。
Q.「注射は嫌だ」と言ったら、怒られませんか。
怒りません。どうぞそのままお伝えください。今は注射以外の選択肢も広がっています。治療は、医学的な必要性と患者さんの気持ちの両方をふまえて決めるものです。
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院長の泊咲江です。循環器専門医・総合内科専門医として、おひとりおひとりの生活ペースを大切に、血糖から心臓・血管まで診ています。気になることは、お気軽にご相談ください。→医師紹介ページはこちら
